龍谷大学交響楽団 サマーコンサート2017

第3回 曲解説 2017年6月開催


プレゼンター:佐藤佑哉(第25代正学生指揮者)

◎モーツァルト/交響曲第31番

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 それではモーツァルトの交響曲第31番の第3回目の解説を始めます。前回は世界の人たちのパリに対してのイメージを紹介し、モーツァルトの生涯を解説していきました。

実際の解説会では前回のおさらいを行っていますが、このサイトでは省略させていただきます。


 1.作品番号「K」の意味

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 さて、モーツァルトの作品のスコアをみて気になったことはないでしょうか。クラシックの作品には必ず作品番号というものが存在します。例えばブラームス2番であれば作品番号は73です。この作品番号は、英語で「opus number(オーパス)」といいます。よって多くのクラシック作品のスコアにはこのオーパスの「op.」が記されており、曲名の記入でも「op.○○」と表記されます。

 しかし、モーツァルトのスコアはどうでしょうか。この31番の作品番号は297ですが、スコアでは「op.」ではなく「K. ※」が記されています。実はこの「K.」はモーツァルトの作品のみで使用されているのです。その「K.」の意味を知っておきましょう。

※「K.」は日本・英語圏で使用。画像のスコアはベーレンライター版(ドイツ版)のため、ドイツ語表記で「KV.」となります。

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 まずこの「K」の正体は、ケッヘルという人のイニシャルです。ケッヘルは、モーツァルトの作品を時系列的に配列し、順に番号をふっていきました。これがモーツァルトの作品目録として世界に広まり、現在ではモーツァルトの作品を表すための世界共通の認識番号となっています。

しかし、ケッヘルは時系列的に作品を並べようとしたのですが、のちの研究によって作品の成立時期が見直されたり、作品が新しく発見されたりしました。そのため、ケッヘル番号は実は何度か改訂されており、現在最新のものは第8版となっています。

またマメ知識として、ケッヘル番号を25で割り10を足すと、モーツァルトがその曲を作曲した年齢がわかることが多いです。参考までに、パリはこの計算をすると約22になりますが、パリの初演年からモーツァルト生年を引くと、ピッタリ22になります。)


2.モーツァルトの都市が付くシンフォニーたち

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 次に、モーツァルトの都市名がつくシンフォニーはパリのほかに2曲あります。これは第1回で解説した通り、オーストリア・リンツとチェコ・プラハです。第1回ではそこだけ紹介しましたが、今回はそれぞれどのような由来で都市名が付くことになったのか紹介しておきたいと思います。


 

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 まず、交響曲第36番「リンツ」です。リンツは、ウィーン・グラーツに次ぐ、オーストリア第3の都市として知られていますね。この曲が作曲されたのは1783年ですが、この年の秋にモーツァルトはリンツに滞在していました。このときに、伯爵のホーエンシュタインの予約演奏会のためにこの曲を作曲したといわれています。それが由来で「リンツ」が付けられたのです。この曲の演奏時間約25分ですが、この作品はたった4日間で書かれているのです。これだけの傑作を4日という短期間で完成させたことは驚異的であり、モーツァルトが天才であることを証明する具体例のひとつとされています。


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 そしてもう1曲が、交響曲第38番「プラハ」です。プラハは言うまでもなくチェコの首都で、あの有名なモルダウが流れている都市です。1787年、プラハで自身の作曲した『フィガロの結婚』の上演が大成功を収めたことにより、モーツァルトはプラハから招待を受けました。そのときにプラハで自ら『フィガロの結婚』を指揮したのですが、その上演に先立って初演されたのがこの38番です。それが由来で「プラハ」が付けられたといわれています。

 しかし、モーツァルト自身の作品目録によれば、この交響曲の完成は1786年12月で、プラハ旅行の少し前です。そのため専門家の間で、作曲の目的はプラハでの演奏ではなく、1786年から1787年の冬のウィーンでの演奏会のためではないかとも見られています。ただし、ウィーンでの演奏の記録は残されていないため、その説は薄いものではないかと思われます。


 3.フランス人の性格

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 さあ、最後にいわゆる「パリジェンヌ」はじめフランス人の性格を紹介します。前回世界の人たちが思っているパリのイメージを紹介しましたが、パリは世界的にも華やかで気品の高い洒落た街として見られています。モーツァルトもきっとそのようなイメージをもってこの曲を書いたのではないでしょうか。

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 しかし実際のところ、フランス人は結構癖の強い国民性のようです…。

・挨拶に厳しい国民性:フランス人は挨拶に厳しい国民として有名です。例えば、お店やレストランでトイレの場所を聞く時も、「すみません。トイレはどこですか?」という聞き方をしてしまったらアウトで、まず「ボンジュール」と言って会話を始めなければなりません。

・自国に強い誇りを持っている:これは別に悪いことではありませんが、フランス人に「フランスの好きなところをいくつか挙げてみて?」と聞いてみると、たいていの人がフランス文学やフランス言語と答えます。特にフランス料理に関してフランス人は強いプライドを持っており「フランスが世界の料理をリードしている」という感覚まで持っているとか。

・気分を顔に出す:フランス人は日本人よりも、好き嫌いをそのまま表現し、相手が誰であれ不快感を隠そうとはしません。

・格好つけたい:フランス人は日本人よりも「馬鹿っぽく見られること」に抵抗感が強いそうです。「お高くとまっている」「保守的だ」とフランス人は言われますが、その背景にはフランス人の「馬鹿だと思われたくない恐れ」のようなものがあるのかもしれません。

・完全な個人主義:個人主義ということは、良く言えばあまり他人に深く関わらないということです。日本人は相手の恋愛などプライベートを深く知ろうとしますが、フランス人相手に相手のプライベートを深く知ろうとすると、フランス人の性格上嫌われるそうです。女性陣お気をつけて。

・プライドが高い:高級ブランドの発祥地であることや、歴史がある国でもあるフランスは、生まれながらにフランス人というプライドが高いです。

・とにかくカード払い:ちょっと立ち寄ったお店で、飲み物を一杯飲むだけでも、カード払いするほど、キャッシュ払いには抵抗があるそうです。

※上記は個人的主観ではありません。下記複数のサイトを出典しております。

・特徴.com「フランス人の性格の特徴」http://tokutyou.com/tokutyou/49

・MADAME RIRI「日本人から見たフランス人の性格の特徴、ここが面倒くさい!6つ」https://www.madameriri.com/2015/09/30/6-annoying-french-people/