龍谷大学交響楽団 サマーコンサート2017

第3回 曲解説 2017年6月開催


プレゼンター:佐藤佑哉(第25代正学生指揮者)

◎ロッシーニ/歌劇「セビリアの理髪師」

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 それでは、歌劇「セビリアの理髪師」の第3回曲解説をはじめていきます。

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 今回は、最初に前回までのおさらいを行います。そして今回は、セビリアのことについて紹介したいと思います。日本テレビの某番組をパクった名前ですが(笑)、セビリアの名所やグルメを紹介していきますね。そして最後に、オペラについてのマメ知識として、歌手の声やオペラの歌の種類を紹介していきたいと思います。

実際の解説会では前回のおさらいを行っていますが、このサイトでは省略させていただきます。


 1.セビリアについて

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 さて、ここでセビリアについて紹介したいと思います。おさらいですが、ロッシーニはイタリア、セビリアはスペインです。あまりセビリアという名前を聞いたことがないという人が多いのではないかと思います。そんなセビリア、実はスペインの中でも有数の観光都市の一つなのですよ。田舎ではありません!そこで最初に、セビリアをはじめスペインの観光都市を紹介しておきたいと思います。

マドリード:スペインのど真ん中にあり、首都です。よくバルセルナが首都だと勘違いしている方が多かったりしますが、マドリードが首都なので覚えておきましょう。マドリードは、首都というだけあって人が多く、他の都市よりも洗練されているイメージが強いです。また、マドリードには美術館がたくさんあります。プラド美術館という名前を美術好きが好きな方は耳にしたことがあると思いますし、憧れの場所だったりするかもしれませんね。プラド美術館は世界三大美術館の一つと言われています。それも、このマドリードにあります。

バルセロナ:言わずと知れたスペインの「大」がつくほどの観光都市ですね。画像は有名なカサ・ミラです。その他、サグラダ・ファミリアやグエル公園など、不思議で斬新なデザインのガウディのデザインの建物がたくさんあり、見物ですね。

マラガ:セビリアと同じアンダルシア地方にある街です。地図を見てわかるように、海沿いの街です。即ち、おいしいシーフードがたっぷりと食べられるというわけです。セビリアよりは物価が安く、良い意味で街がごちゃごちゃしているため、滞在していて飽きない街だそうです。マドリードやバルセロナはもちろん、アンダルシア地方においてもセビリアより有名な街というわけではないため、観光客も他の街に比べて少なく、本当のスペイン気分を味わえます。

グラナダ:グラナダといえば、世界遺産のアルハンブラ宮殿です。ここへ行かないとスペインへ行ったとは言えないと言っても過言ではないです。アルハンブラ宮殿は、アラブの文化とスペインの文化が融合された素晴らしい建造物です。グラナダもスペインへ行ったなら欠かせない街ですね。

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 セビリアは、アンダルシア州の州都かつセビリア県の県都です。人口はおよそ70万人で、スペイン第4位の都市と呼ばれています。1992年には万博の会場にも選出されたことをはじめ、近年ますます観光産業に力を入れており、スペインにおいて重要な役割を果たしている街なのです。

 そんなセビリアの名所をいくつか紹介したいと思います。

・セビリア大聖堂:セビリアが誇る世界遺産の一つです。完成までにおよそ120年の歳月を費やしたといわれている、まさにセビリアの街のシンボルです。スペインでは最も大きな聖堂なのですが、ヨーロッパ全体で見てみても、バチカン市国の「サン・ピエトロ寺院」、ロンドンの「セント・ポール大聖堂」に次ぐ第三の規模を誇るくらい大きな聖堂なのです。

アルカサル:ここは今なおスペイン王室として利用されています。セビリアがイスラム教の重要都市だった9〜11世紀に建てられた王宮の跡地に、キリスト教の宮殿を建てたのが原型といわれています。

他にも、由緒正しき闘牛場と呼ばれる「マエストランサ闘牛場」や映画のロケ地としても知られる「スペイン広場」など、セビリアにはスペインを味わうことのできる名所がたくさんあります。


 

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 スペインを味わうことができるのは名所だけではありません。グルメも欠かせませんね。スペインは世界の食通をうならせる街です!もちろんセビリアも。そこで、セビリアの美味しいグルメをいくつか紹介します。

ペスカードス・フリートスは、写真を見てわかるように魚介類をフライにしたものです。先ほどの地図を見てわかるように海が近いため、新鮮な魚介類を手にすることができます。このペスカードス・フリートスと子羊のシチュー煮が、セビリアの伝統料理です。セビリアに行ったら是非食べておきたいですね。そして、セビリアで今流行の食べ物としてセラニートがあります。このセラニートは、バゲットパンに焼いた豚肉のロースと生のトマト、卵焼きを挟んで、生ハムと素揚げしたピーマンを添えたボリューム満点のサンドイッチです。


2.オペラのマメ知識① 声種

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 さて、最後にオペラに関するマメ知識として、オペラで登場する歌手の声や音楽の種類について紹介したいと思います。まずは声種についてです。中学校や高校で合唱コンクールなどがあった人も多いと思いますが、合唱は基本的に混声四部が多いでしょう。オペラには6つの声の種類がありますので、それらの声の特徴を紹介したいと思います。

ソプラノ:ラテン語の「最も高い、はなはだ上の、最も外の」という意味で、そのとおり女声の中の最も高音域を担当します。王妃や姫、人妻、絶世の美女、メイドなどほとんどのヒロイン役はソプラノが務めています。

メゾソプラノ:「mezzo」はイタリア語で「中位」を意味します。妖艶な主役、母親、老婆役、魔女、美少年、青年の役など様々な役に使われています。

アルト:「alto」はイタリア語で、元々の意味は「高い」を表わしますが、女性の中では最も低い声で、暗い音色と深く幅のある響きをそなえています。まず主役はなく、老女や母親、悪女や魔法使い役などが多いです。メゾソプラノ同様、細かい区分をもちません。

テノール:男声の中で最も高い音域です。若者役が多く、王子や騎士、英雄などの役で使われています。

バリトン:男声の中間の聖域を担当します。もっとも豊かな表現力を持つ声種といわれており、主役・脇役問わず様々な役柄で使われます。

バス:ラテン語の basis (基礎)から生まれたといわれています。最も低い声ですが、幅広い深さをもっています。恋敵や父親、支配者、悪魔などどちらかというと悪役が多いですが、バリトンと同じく様々な役柄に活躍します。

ちなみに「セビリアの理髪師」で登場するのはテノール・メゾソプラノ・バスのみです。


3.オペラのマメ知識② 歌種

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 次にオペラの歌の種類についてです。オペラは舞台の幕が上がってから下りるまで、舞台に立っている歌手の人たちはひたすら歌いながら演技をしていると説明したと思います。その歌にもいくつか種類があります。

アリア:オペラの醍醐味ともいえます。ソロで歌う曲で名曲が多いですね。

レチタティーボ:アリアの前後にあるちょっとした会話や独り言などのセリフがあると思いますが、それも実はメロディとして書かれているのです。レチタティーボの場合はピアノやチェンバロが伴奏しています。

シェーナ:レチタティーボの伴奏がオーケストラになったバージョンと考えてもらえればよいです。アリアで歌手の人たちは感情を最大限にして歌いますが、それを引き出しているのがレチタティーボやシェーナともいえるでしょう。

重唱:アリアを複数人で歌うことを重唱といいます。二人で歌うなら二重唱、三人なら三重唱といった感じで呼びます。重唱の見どころは、それぞれ違ったメロディや歌詞を歌っているところです(もちろん同じ歌詞でハモらせるときもあります)。全く違うことをうたっているのにそれを重ねてみると実に素晴らしい曲になっているのです。オペラ作曲の腕が問われる歌でもあります。

合唱:オペラではソリストの歌手だけでなく、合唱団の人たちも村人や民衆役として舞台で歌っています。ソリストの後ろから歌うこともあれば、合唱だけで歌うこともあります。